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執筆者の写真YY

【本店ストック成虫特別編】yyii68

当店の大看板系統のGX50-yyii68・・・2020年に驚愕の初代が登場、その子どもになります。


GX50-yyii68

2020年初夏羽化

体長68mm、頭幅28.4mm、顎幅6.7mm

この独特の√型のボディーと、異常な縦横比率、そして異常な縦横比率をたたき出す各部の別種レベルの形状・・・まるで新種だということで、yyiiというあだ名がつき、それが系統名になりました。このyyii68は、その異形性に価値があると認知されているように思っています。そして、それは間違っていないと思いますが・・・・私としては、この形が仕上がることができた・・・この形でも羽化などの変態に問題がなかったという新種化・新能力の搭載こそに価値があるように感じています。


2020年羽化の系統ですから、2022年に2代目が誕生したことになります。その2代目で当店がストックしているのは2オスです。つい先日まで超完成度の3頭目がいたのですが、これを懇意にしている同志のところへプレゼントしまして・・・・今手元には2頭がいるということです。3頭目の方が完成度とスペックは高かったのですが、この2頭はそれぞれ高い潜在能力と安定感をバランスよく持っていそうで、種適正が高そうだなということでストックしています。


2代目GX50-yyii68

75mmほど

最近はKXばかり手に取っていましたから、手に乗せてう~~んやっぱりこういうのもいいなぁああ!!と思いました。やっぱり、玄人ホペイはいいなぁと。yyiiは立ち上げまでに5年くらいかけていますから、当家としてはかなり練り込みまくった血になります。その分、細かいところの造形が良いし、やっぱり独特の各部の形をしています。

王道の台形顎。この台形顎の素敵なところは、台形顎という魅力が先行したことですね。多くの場合は、目立った血統やブランド力のある血統が先行して、その血統からカッコいい個体が出て、そういう個性っていいよね!となることが多いのですが、台形については台形を求めた結果究極の台形が生まれていったという形から始まって形に戻ってくる形一筋!!という世界観が合って最高です。


映え感がヤバい。DXとかKXとかPYとかは、実物はもっといいんだけどなぁ~~~と思いながら商品撮影を進めています。梅雨の曇天で中々良い写真が撮れないというジレンマもある今年です。yyiiは写りが良い!ポージングも決めてくれるのでたまらない!


ものすごくしっくりくる。これがホペイだ!!というより、こういうのがホペイの世界だ!!って感じ。こってこての飼育品だけど、ホペイ種由来の雰囲気をバリバリに発言しているところがたまらない。昨年はyyii68が多かったですね。その多かった個体達から選べているというのもあって本当に完成度が高いなと絶賛自画自賛できる系統となっていまして・・・次世代はF3になりますから、更に緻密繊細な造りになっていくと思うともう来年になってもいい気分です。


2代目GX50-yyii68

71mmほど

こっちは、「濃いなぁ~~~!!」と思ってストックした1頭です。これまたたまらんボディーバランスをしています。腹も小さい!


絶対いけないけど、でももしかしたら「とんでもないワイルドを入手したんだけど・・・」で通用しそうな顔をしています(笑)ホペイのワイルド標本画像を眺めながらこの個体を手に取ると味わい深さが増す逸品。


まぁ、このこってこて感は間違いなく累代飼育品のそれなんですけどね。なんだか輪郭がハッキリざっくりしたような感じもいい。


立体感もたまりません。


さて、この68は、もともとが異形でした。その異形性が、少しF2になって影を潜めてはいますが、これから再発現してくると思うので楽しみです。今年度2023年のyyii68は2022年度yyii68と腹違いでして、2年目のオスを使った子どもということになります。


68用にキープしたyyiiの5番メスを使ったのが2022年度yyii68ですね。

68用にキープしたyyiiの2番メスを使ったのが2023年度yyii68です。

共にF2のインラインになります。


2023年度yyii68は入手のチャンスです。新作ではないので、少しリーズナブルにしています。私の方ではオスを積極的にストックせず、メスを積極的にストックします。オスは母数が多い中頭角を現し種親の座を勝ち取った上の2頭に担わせたいなと思っているので、オスは積極的に放出して、メスは系統分離交配をしたいので積極的に23yyii68をストックしています。


68の真価は、異形個体が仕上がったという実績にあると思います。自力で仕上がっています。エリトラも綺麗でした。異形個体って、顎の太い細い・体長のデカい小さいに関わらず羽化に苦労することが多いです。全然系統が違いますが、今年KX303では1頭だけ不全が出ていると申し上げました。その個体はかなりの異形っぷりでした。変な体形とか、不思議な形をした個体って、仕上がりにくいんです。それが平然と仕上がったのがyyii68ですね。


そういった個体が仕上がるためには、バランスの良い発現を抑えていく必要があります。上へ、上へ!!という考え方は形状追及の世界ではあまり適さないと私は考えています。今年のGX50-Xはスペックが炸裂し、全部完品になりました。22年度の交配で目指したのはXの安定化でした。今年のKX8.3は9前後の顎の個体を3頭も輩出しました。目指したのは8の安定化でした。安定化を目指すと、スペックのインフレが起きる傾向があるな、と振り返って分析しています。安定するから、もっとスペックが乗れる。安定しているから、不思議な形のものが羽化できる。不思議な形の個体が羽化しているというのは、すげぇ変な形の形質を有している!というのもあるのでしょうが、すげぇ変な形でも羽化できる安定感を持っている!!というのが私の見解でして大切にしていることです。


この68は、私にとってはそういうことで以下の2つの特色をもった系統です。

・ホペイ種飼育文化由来の極上台形顎を高確率で発現させること

・異形状態が定常として安定していたため、異形レベルになっても安定させられること


インラインでは、極上台形極上バランスの立体感抜群な個体を連発します。より上を!というブリードよりも、より良くする、ブラッシュアップする、磨き上げるという奥ゆかしい玄人の愉しみ方ができる系統です。


アウトラインでは、訳の分からない形やスペックをしていて仕上がらなかったあの時のあの個体を仕上げる性能を炸裂させることがあります。


前者についてはもう昨年も十分に紹介していますから、今年度は68の破壊力については後者で語っていく感じになりますね。


このシリーズ、前回で一旦中止かな・・・と思っていました。採卵のターンに入りましたので、これまた連日100本単位の菌糸瓶が届いていて大変なんですよ。でも、本命中の本命が大爆産してくれているので、少しゆとりができました。可能な限り続けていきたいな、と思います。そして、自分の好みの個体を仕上げるぞ!!と繁殖意欲を燃え上がらせているブリーダー様への情報発信を継続できればな、と思っています。


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