DX50
2023年5月羽化
幼虫最終計測体重32g
体長72.2mm、頭幅28.01㎜、顎幅7.01mm
なんっじゃこりゃぁああああぁぁぁ・・・・・・1年に一回は言いたいセリフです。今年も何回か言えましたが、これはまぁ、間違いなくなんじゃこりゃ個体of2023です。
蛹の頃は、結構カッコいい感じの蛹でした。顎先が入りきらない自然なカーブを描いた湾曲、みたいな感じでした。蛹の体形もそんなに特徴的ではなかったです。少し胸が大き目かな?くらいで。なので、顔面付近がカッコイイちょっと胸がデカいバルキー個体になるのかな~と思っていたんですよ。もう少し胸が締まったらスタイリッシュだったな~みたいな感じになるのかな、と。
これですよ。スタイリッシュってなんだっけ。顎に少しボケ感が入ってしまっていますが、顎がかなりきつく水牛ノコみたいに下方に曲がっているんです。それだけでも、羽化してみてかなりの個性があったわけですが、胸は想像以上に馬鹿でかく広かったです。そして腹・・・
カナブンとかコガネムシみたいな域に入っています。これは新感覚です。頭部・・・めちゃくちゃデカいと、とりあえず他が雑な造りでも全体像がカッコよくなる影響力が強いパーツです。胸部・・・締まると個体のスタイルが良く見えます。いかり肩になると逆三角形な印象が強まったりします。オオクワガタの中央付近に位置するパーツなだけあって、スタイルの印象にかなり影響力を持つ部位です。そしておお顎・・・オオクワガタの顔とも言わんばかりのパーツで、一番影響力が強そうです。が・・・・
私は腹(上翅)がこれほど個体の印象を揺さぶったケースを始めてみました。蛹の頃に異形性を感じなかったことから、上翅がこの個体の異形性の上限をぶち抜いているようです。実際、これだけ異様な雰囲気ながら数値については、顎がかなり太い?くらいで、最近のホペイ情勢を考えるとそこまで突き抜けている感じはありません。腹が・・・腹がこの個体の異常性を思い切り強調したと見ています。面白いです。
上翅が横にべたーーーーっと広く、縦にめちゃくちゃに短い。こうなると普通は腹が出て余ります。でもそうでもないんですよね。スッと収まりました。こういう体形なんでしょう。
垂直撮りにすると、一層ごまかせない。これがスタイリッシュだとはとても言えません。しかしダサいとも言えない。不細工かもしれないけど、カッコ悪いとは思えない。不思議な湾曲の顎・・・爆裂胸部・・・・コガネムシみたいな腹・・・・でも、鋭い眼上突起、品の良い内歯と、色々上品な部分も持っているんです。
こういう個体が多発する必要はありません。こういう個体って、連続性は少ないことが多いのです。というか、絶妙な塩梅で優良個体のゾーンになんとかはまっていることが多いのです。少しでも他の部位が別の印象になると、途端に超ダサくなったりするんです。
しかし、こういう突出した訳が分からない個体が一つ二つ出てくる・・・・そういう血統は唯一感がある血統であることが多いなと、結果論ではありますが思います。yyiiでもそういうものがいました。順昌NL系でもそういうものがいます。KX303の唯一の羽化不全個体はこのタイプでした。そしてKX8.3でも。
お上品に味を調えるだけではなく、それ単体だとどうなの?というスパイスが血統全体を見た時に入っていると・・・・隠し味みたいな感じで血統の個体全体の旨味が引き立つことがあるんですよ。個性という旨味が。よくこの個体を見ると、確かにこの個体ほどの濃度ではないものの、どのDX50にも、こういうテイストがほのかに感じられるんです。だから、唯一感のある湾曲個体群でいられるのだと思っています。