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執筆者の写真YY

【本店ストック成虫No.49】Trapezoid-D

Trapezoid-D

2023年4月羽化

体長72.2mm、頭幅27.6㎜、顎幅6.7mm

頭幅比率38%超級、37%の妖怪比率を1%超えていますが、妖怪形状ということでいけば100%増しくらいの化け物です。えっ!?と思った方は鋭い。今年度の販売個体のTRS-DのNo.1です。私が系統内のトップ個体を販売に回すことはまず無いのですが、その例外を作っていたのがこの個体でした。愚かでした(笑)こんな個体は販売に回してはいけない。寒くなったころ・・・手に乗せてそう思いました。やはり格が違います。


Trapezoid-D初代

2020年羽化-CBF1

初代は2020年に超大反響を産んだこの個体です。目指したいホペイの形の一つとして、幾度となくお問い合わせを頂きました。2020年にこの旧TRS-Dは系統ごと放出しているのですが、1オスを残しました。それがこの個体です。度重なるお問い合わせの網を潜り抜けてペットとして手元に残りました。手放せませんでした。


その後、同血統F2個体(インライン同腹兄弟姉妹交配・別兄弟を種オスとしたもの)をバックして頂き、このオス初代CBF1×F2で子を採った・・・・その戻しCBF1が2023年羽化の新TRS-D→Trapezoid-Dです。


血統背景は以下の通りです

・TT2A

・SAX

・劉備

・D系統(TT5B×TT2A×関羽)


また、yyiiに含まれる一部の血統と血縁関係があるため、確かに顎形状は初代yyii68に近しいものがあります。


【初代GX50-yyii68】説明不要の縦横比率奇跡の40%超級のレジェンド個体ですね



Dについては、今年度2023年ではDX50が記憶に鮮明でしょう。

【DX50】本店ストック個体



【DX50】本店ストック個体



【DX50】本店ストック個体


【DX50】本店ストック個体





D系統に求めていたものは、DX50のような超絶湾曲×超スタイリッシュ個体でした。その狙いからは外れていたため、2023年・・・一時的に今後のストック候補から外した・・・そういった悲しい背景を持ってしまったのが本系統でした。


ですが、このように誕生背景と血縁関係がある個体を一緒に見て見ると、yyiiとDX50の良いところ取りをした個体であるという表現がしっくりきます。やはり、放出に回していたのは誤りだったなぁと感じるわけです。


Trapezoid-D

今回の主役に話題を戻しますが、何といっても個体が雄弁にその魅力を語っています。


顎・頭・前胸でほとんどの面積を締めます。頭の隆起と顎の位置の高低差がありすぎて顎が遠くぼけて見えるほどです。


胸部の半端ない逞しさに対して、気持ち程度の腹部が付いています。


DX50の超絶ムキムキ感×yyiiの超異形感=Trapezoid-Dというところでしょうか。個体画像×説明をするとまぁ~やっぱり半端ない。よく売れなかったなぁ~・・・と運命を感じます。

画像の縦横比を誤っていじってしまったような、そんな個体です。


側面から見た立体感もたまりません。この個体は4月羽化、今年の羽化の先陣を切った個体でした。そして、最初からこんな個体が羽化してきて、途方もない高揚感を感じたものでした。


やや体長が小ぶりですから、10進法でスペックを見ている方にはこのヤバさが伝わりにくいかぁな~なんて思いましたが、私の取り組み不足だったかもしれませんね。どこかで出したくなかったのでしょう。


いや~すげぇすげぇ。


DX50にはスタイリッシュな超湾曲を求めました。顎がめちゃくちゃエグいのに、体幹がすごくスタイリッシュ。そういう、キレとカッコよさと威圧感のある唯一感を求めました。既存の湾曲に対して、新しいイメージを突っ込みたかったというところです。


Trapezoid-Dについても、新しいジャンルを開拓してもらおうと思います。それが・・・再ストックの理由です。ネーミングの通り、新しい台形ジャンルを開拓してもらおうと思います。台形はこれまで、ホペイ隆盛の頃から一つの顎の王道フォルムとして尊重されてきたことは歴史を辿れば否めません。こてこての累代ホペイを好んでいた方は、台形の張り出しの程度や湾曲の加減の好みの差こそあれ、張り出して顎先が入った個体が大好物であることが多かったですね。そして、張り出して顎先が入ったらまぁ台形になるわけで、だから結果論としてカッコいい個体は台形だったということです。言語化してもシンプル。シンプルにして王道だったわけですね。その台形ジャンルに新しいものを突っ込みたくなってしまいました。

異形台形という新ジャンルを背負ってもらおうと思います。顎はキリっとカッコいい台形。強い張り出しと、強い顎先の入りを求めます。頭・胸を爆裂にデカくし、ブリーダーに対する殺し文句の一つ・・・「エグイ」を独占して頂こうと思います。めちゃくちゃにエグイ台形。とてもスタイリッシュ・カッコいいとは言えないけれど、横に自分の個体を並べたくない。マウントが取れない。否定することが難しい。そういう超デフォルメ個体を狙っていきます。


ただエグイだけではなく、顎は王道・本流で超かっこよくてキレを残している!くそ~~ただ太いこたいじゃないんだよなぁ!!そんな感じでブリーダーを唸らせるというか、歯ぎしりさせるような塩梅の個体を狙っていきたい。王道なのに、全然本流を走ってないじゃないか・・・・そういう異端児・無頼漢を量産していきたいと思います。

・・・という訳でこの個体の為にメスの布陣を整えました。11/3の秋のSALEでメス単を放出する前に・・・・です。


メンテの際に手に取り、熱くなりました。直観的な良さだけではホペイの高等個体は語れませんが、でも直感って本当に大切にした方がいいですね。なんといっても、直観に従って残した個体は後悔をさせないように思います。色々理屈っぽいことで理論的に残しただけの個体は・・・他の個体に対して「あれにすればよかった」という後悔を産むことがあります。その”あれ”になりかけていたということですね。危なかったです。


自分の好みはずばりこれだぜ!ということで、残った個体。

これは絶対に次世代良くなるぞ!と残した個体。

そういうことだけで、血統って繋がれるわけでもないんです。


なんとなく、手放せなくて、なんとなくご縁があって、なんとなく手元に残っていく個体というものがいるのです。そうやって、なんとなく繋がれていく系統というものがあるのです。こういう、腐れ縁みたいな繋がり方をした血統は、しかしある時開花し、その開花がとてつもないことが多いのです。



GX50-X

幾度となく抹消しようと(笑)思った血統です。毎年、なんとなく手放せなくて、1~2系統ばかり残してきました。入魂で育てたことがありません。でも、なぜだか毎年入魂系統と肩を並べていました。なんとなく注力していないのに、なんとなく成果がでるところがなんとなく好きではなくて、なんとなく憎めませんでした。そうした腐れ縁は、2023年、超個体の量産という開花をしました。M44Sやyyii、DX50みたいに、長年狙ってきたぜ!みたいなカッコいい誕生背景の系統が目立ちますが、今年度一番人気の系統となったGX50-Xにはそんな地味な軌跡があったりするのです。


このような、なんとなく手放せなかった個体や系統が開花するのは、とても素敵なことだと思います。夢があります。系統に対して、運命的なものを感じます。いつしか、絶対に手放せない系統になっているのです。

色々あって、色々思いましたが、でも紆余曲折したこれまでの種親選び・譲渡販売の様々を潜り抜けて確かにこの個体は今まだ手元に残っているのです。


ホペイの神様が、「やれ」と言っているのでしょうね。期待以上の次世代で答えますよ(燃)次世代は、本系統に託した想いを踏まえ新系統名で残っていきます。Trapezoid-D・・・いきなり半端ないのが登場すると思うので、楽しみにしていてください。次世代を採る前にハードルを上げておきます。ここまでなんとなく繋いでしまいましたからね、次世代についてはドラマチックに誕生させたいと思いますので。

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