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執筆者の写真YY

【本店ストック成虫No.50】Trapezoid-D

・体長:75.4mm

・頭幅:27.8mm

・顎幅:6.6mm

・顎厚:未計測

・羽化時期:2023年4月

血統背景は以下の通りです

・TT2A

・SAX

・劉備

・D系統(TT5B×TT2A×関羽)


ストック個体の1頭目にとてもよく似ています。既に完売となっている兄弟ともよく似ているので、固定率も高い系統です。微妙な違いで、めちゃくちゃバルクアップしたデフォルメ個体を狙うのか・・・それともマッチョなりにスタイルも整えていくのか・・・・そのあたりの違いを楽しんでいけそうです。そう、楽しんでいけそうなので、昨日11月3日は秋のSALEがあり・・・・皆様狙いの個体を逃したくないという感覚で一点物を見て頂いたかと思いますが(個体って本当に文字通り一点物なので、ツボにはまる個体は絶対に逃したくないですよね)・・・私はSALE期間中はひたすらこの個体について、「売れないでくれ~~~たのむ~~~!!」と念じておりました。お問い合わせも入ったので、冷や汗をかきつつ・・・でしたね。生体専門店の店主が、生体に「売れないでくれ」と願う3時間半は今振り返ると中々に滑稽です。


蛹の時はとても整ってこざっぱりした見た目をしているのですが、羽化してくるときにムッキムキになってくるのがTrapezoid-Dの特徴です。


このように整った感じで写しても、内歯付近の分厚さ&体積が醸す威圧感は隠しきれません。


やはり、頭・主歯・内歯&外歯に高低差があるので、王道台形顎(湾曲)ながらにして、内歯が前方にすっ飛ぶ最高の形状です。もうホント、よくこんな高次元ホペイをラインナップに並べていたなと自分に呆れますが、今並んでいるラインナップも強烈なのでなんともいえません。喜ばしいことですね、個体達の総合的なレベルが上がるのは。


ムキムキだけど仕上がりが良い。

この仕上がりに騙されてはいけません。

多分皆さん騙されていたんじゃないかな~・・・だから買い手がつかなかったんじゃないかな~と思う反面、私の方でもちょっと隠していたなとは思います。


顎開き姿勢では、凄い体積の内歯が顕著になります。

このように、姿勢を変えると個体の本質がにじみ出てくるので、当店では多数の写真を1つの生体に対してアップするようにしています。特定の姿勢だけで映えるのではなく、色々な姿勢でカッコいい個体を狙っているというのもあります。色々な姿勢で映えるから、飽きないわけです。


さて、Trapezoid-Dの本性はここからですね(笑)

とんでもない内歯は、側面から見るとやはりとんでもないです。

スゴイ肉盛り。


顎だけではなく、頭もムッキムキに分厚い。

モリモリの顎×モコモコの頭・・・こうなると、仕上がりが危うくなることが多いのですが、この系統とDXはムチムチボディーになっても前胸&上翅がすっきりしている個体が出てきます。


側面から見た上で、上から見ると、この個体の立体感を再認識することができます。


丸太・パイプ状の顎・・・たまりません。

こういうことも、顎の太さということでは大切です。

今は顎7を目標にされている方が多いと思います。顎7飼育の難易度は数年前に比べて格段に下がりましたね。そのうち、顎7はもっと増えるでしょう。そうなった時に、「太く見えるのか」ということを意識して繋がれた血統の顎7個体と、そうではない数値育成で繋がれた顎7個体とでは見た目の迫力が変わってくるのです。こういった先を見据えた形状追及を行っておくと数年後に心から「数値ではない」と言えるようになります。


数値ではないというのは、数値で測れない魅力があるということです。太さについてもこれは同様です。皆が測る基部幅や顎の根元の厚みである顎厚数値だけではなく、内歯付近の分厚さや、顎の側方への肉の盛りなどのような数値化できない造形があると、情報量が増えた分顎の存在感も増すわけです。


”数値で測れない個体”、”ノギス不要個体”というのは、必ずしも「数値以上に太く見える個体」を指すわけではありませんから気を付けてくださいね。私としては、究極体は「ノギスを当てて数値を見て見るという行為が虚しくなるほど存在感のある個体」だと思っています。その個体は太かったり大きかったりするかもしれないけれど、超華奢で優美な個体かもしれないわけです。色々な、数値で測れないカッコいい個体・美しい個体像があるわけです。


ただし、先述の通り数値で測れないと言う限りは、

皆が数値にしない良さを持っていること、他の個体に無い個性を有していることは間違いないでしょう。ぱっと見で7あるから、ノギスはいらない個体というのは、ちょっとレベルが低い。折角楽しんでブリードするのですから、目指す造形のレベルについても青天井な楽しみ方をしていきたいものですよね。

青空の下で見ると、Trapezoid-Dは肌質の加減から、青っぽく見えます。


ギラギラした漆黒タイプは、面を広く魅せますから顎面が広く見えることが多いです。顎基部幅の数値でマウントを取りたい方にはPYみたいなギラギラタイプがおすすめ。

鮫肌のような粗目の艶消し肌は、ディンプルを非常に目立ちにくくします。めちゃくちゃムキムキゴリゴリで太くてゴツくて、でもなんとなくかわいげを残したような個体を狙いたい方にお勧め。KX8.3やGX50-Xに多く見られる肌質ですね。


このようなきめ細かい艶消しは、モコモコムキムキした肉盛りや、全体の立体感がある個体を引き立てます。ムキムキ加減がいやらしく見えないし、幅や厚みもしっかり見える。上記の2タイプのハイブリッドみたいな感覚でしょうか。このタイプはyyiiに多く見られますね。我が家では絶えましたが、yyii294みたいな本当にパテを塗り付けたような個体には、こういった肌質が似合います。


Trapezoid-Dはきめ細かい艶消しも相まって、岩から削り出してきたような荒々しい体積がよく映えます。また、美しいです。



次世代では、yyii68のような雰囲気を持って、抜群のフォルムの68に対し、エグさを増したような個体を複数出してみたいですね。こんなに分厚くて立体的で撮影が楽しい個体がいるのか!と驚く数年後が楽しみです。いや~・・・残ってくれて本当によかった。。。


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