S76改
2023年5月羽化
幼虫最終計測体重27g
体長72.0mm、頭幅27.7㎜、顎幅6.8mm
来年のS76改のメイン種です。なぜかって?自分でも良く分かっていません。レシピや血統特性を秘密にしようとしているわけではないのです。S76の最大の魅力はここにあるのです。S76は初代から「超血統」という独特の形容詞をくっつけています。実は私が付けたわけではなくて、なんとなくそう言われるようになってブログでそう表記したという感じです。yyiiのように、頂いた形容詞を使わせて頂くことって結構あるんです。S76の超血統はそういうことで付いたものでした。
S76に持たせているテーマは第41回で説明の通りです。そして、S76については代々親を・・・小ぎれいな個体に絞って選別するようにしてきています。美しいオス親を使い、綺麗なメス親を使う。まとまりのよいオスを使って、安定感のあるメスを使う。そういうことを繰り返しているのに、今年も発現しているような超次元のバルキー個体が出てきます。そういう個体を親にしているのに・・・・ストック個体もそうですが、前胸&腹部がかなり攻めた形をしています。多くの個体が、とてもカッコいい個体です。でも、「超血統」なんていう形容が付くし、今年も「S76は何かしでかしそうだぞ」という気配を感じて頂いていて、そして在庫もあっという間になくなりました。予約個体についても、真っ先に問い合わせを受けた一つがS76でした。
来年の親はこれ。こういうところでブレたらいけないと思って血づくりに取り組んでいます。
顎8個体使いたいですけどね~・・・でもコレがメインです。使わないとは言わないけれど、S8.0とかいう感じで名前を変えるかもしれない。S76とは名乗らない気がするな~・・・
S76も例にもれず、しかも特に明確に・・・持たせてきたテーマを崩さずにやっていきたい。これが難しいんですよ。スゴくてスゴイと言われたスゴイ個体を使う方がメンタルは整います。モチベーションも高まるし、高めて頂ける。応援も頂けたりすることが多いし、次世代販売への期待の声も多い。
だけど・・その系統に持たせているテーマを変えない、やり続ける・・・それって、累代指数をF●までインラインで進めるよりも難しいんです。表記はCBF1でもテーマの累代レベルは7代目!こんな感じが、優良血統の根拠の一つなんだと思います。だから本店物とか本家ものっていうのが価値を持つというのもあると思います。
その血を育て上げ磨き上げるブリーダーのその血統に課したテーマがぶれたら、累代指数が上がっても血としては結構崩れてくるんですよ。
それで、ブレないようにほぼ同じような親を使い続けて繋いできているのがSシリーズであり、S76です。でも・・・化け物が出てくるんですよ。触れたら精神的に出血しそうな切れ味の虫が出てくる。ダサい個体が出ない。華奢だと思って数値を測ると数値の方が勝っていることが多い・・・・そういう得体の知れなさ、底の知れなさを持っているのがS76であるい、それにブリードに携わる方々は薄々気づいているのではないかなぁと思っています。私もまだ言語化できていないS76の魔力はそこにあるような気がします。
【GX50】
・スペックブースター、系統全体の数値レベルが上がる
・相手方の発現傾向に形状を合わせる性質が強い
・完品率を高める
・中庸な虫もブレンドするとなんとなくカッコよくなる
【S76】
・スペックブースター、系統内の特定の個体のスペックが爆上がりする
・顎だけ相手方に合わせることが多く、前胸や腹の形状や肌質はS76を通すことが多い
・完品率を高める
・次世代で何が起こるか読み切れない
GX50と比較すると性能の違いが結構はっきりしてきますね。
今は画像をPCに取り込んで大画面で虫を見ながら編集をしているのですが、大きな画面でみると一層、次世代どうなるんだろうという深淵を覗き込んでいるような気持になります。
今はこういう顔をしているけど、そのうち・・・ね。。。という、じわっとくる威圧感というか、圧を感じます。個体が醸す圧というより、潜在的な圧力というか。そういう、なんか抽象的なんだけどなんか分かる・・・・という存在感が、超血統と呼ばれる所以であり、S76の魔性なのかな・・・と思っています。