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執筆者の写真YY

【本店ストック成虫No.25】順昌W38

順昌W38-NL系

2023年6月羽化

幼虫最終計測体重34g

体長69.8mm、頭幅28.55㎜、顎幅6.93mm

”大きな頭と太いおお顎・・・累代していくに申し分ない種親・・・・”そう呼ばれたWF1からスタートした順昌。その軌跡はBeKuwaの「ホペイ伝説」で片鱗を辿ることができます。以前にも書きましたがおすすめバックナンバーは20号、当時のレジェンド個体達が並んでいます。順昌は血を濃くしながら非常に長く付き合ってきた血です。「うちの種親でやってみる?」と76U-Limited(TYPE:Z)を譲っていただいたのが懐かしいくらいになりました。大きな頭と太いおお顎、頭部の下に巻き込むような頭部・・・ド派手なアイドマが成立するオーラ・・・当時使われた文言が恥ずかしくない個体群に近づいてきています。


順昌NL系のルーツは2017年にあり、これはブログホペイフリークの自己満足日記の”順昌物語”などで触れています。以下の画像の個体が初代順昌NLです。


その後、順昌は2020年に特に注目され、超高評価を頂きます。NLU2系統として台頭した2020年順昌NL系、以下のようなハンマーヘッドボディーと、それに似合った顎・胸・腹が最高の個体でした。兄弟ももちろん好評でした。やはり”個性”が突き抜けている個体は人気が高い。細かいところを見なくても”違う”という存在感があるからでしょうね。


2021年は順昌の繁殖を1代停止したため、2022年には順昌の羽化がありませんでした。その間は、2020年羽化の順昌を温存していたことになります。交配は行っており、交配済みのメスたちを2022年に産卵させたということになりますね。そうして再浮上した本家NL系が今年度の2023年度順昌ということになります。

眼下突起が、”突起”と呼んでよいのかというくらい広がっています。顔面がエイのようです。


凄い立体感、凄い面の広さを感じる造形です。

横から見ると、前胸上部が頭部下方に思い切り巻き込んでいるのが確認頂けるかと思います。まぁ、すげぇすげぇ。折角大きな頭と太いおお顎という何万分の一のワイルドからの子を磨いた血の末裔を譲って頂いたわけです。この系統に託されたマインドは伝統として守り、虫のレベルは高めてこそ血を引き継いでいるなと当家は感じます。

そういう点だと、順昌にはまだまだ先があるな、と思います。ここで満足してはいけないなぁと。でも、満足とか、及第とか、合格とか、そういったOKかNGかみたいな分類ではなくて、「楽しい」というカテゴライズが成立するから順昌はそれでいいんです。やっぱり、”違う”って面白いんですよ。いわば増種が楽しい感覚ですかね。手に取ったことのない種類のクワガタを手に取るって、まず楽しいじゃないですか。形や色が違うし、動きなんかも違う。私は多種飼育をしていないので、そういう楽しみ方をしてはいませんが、ホペイという黒虫の小さな差をまじまじと見ている日々を過ごしているので、順昌くらい他の系統と違ってくるともう増種した気分、違うクワガタっていいなぁ~~ってなるのです。

頭の比率については、羽化後の数値変動で結構状況が変わりました。頭幅は、白い眼下突起付近の幅が広いのでコンマ二ミリくらいの現象ですね。体長はかなり減りました。これは普通のことかな、と思います。これに伴って、少しだけ縦横比率が上がりました。0.409ですので、ぎりっぎり41%を割ったというところでしょうか。41%超えだった初代yyii68の縦横比率のヤバさを再認識しています。ただし、初代68は体が√型の蛇腹に折れていたので、あのようなトンデモ比率をたたき出したというのがありまして、その折れた顎頭前胸腹を伸ばしていたら73mmくらいの個体だったんじゃないかなと思っています。それに対してこの個体は体が√型になっていませんので、素で40.9%の縦横比率を持っているということになります。これは半端ないな、というところです。



顎幅は悔しい!!7を割ってしまいました。10進法は見栄えとは関係ないよねというのはそれはそれ。7顎名乗りたいよねというのはこれはこれです。順昌で7顎って、カッコよかっただろうなぁ~、承認欲求の満たされ方半端なかっただろうなぁ~と机をたたいています。でも、7ないものはないんで、次世代で出していく感じですね。


細かい話はそんなところ。

この個体は、「手に取って久しぶりに手が震えた個体」でした(知る人ぞ知るフレーズ)。その上で頭がハンマーヘッドシャークみたいにバコンと広いので、色々言っていますが、一言でまとめると、もう最高です。

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