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執筆者の写真YY

【本店ストック成虫No.21】KX8.3

KX8.3

2023年6月羽化

幼虫最終計測体重34g

体長81.0mm、頭幅29.7㎜、顎幅7.7mm

次年度の親候補筆頭のうちの一つです。スペックを見て頂ければわかるように、まず馬鹿でかいです。それから、実物を見ると分かるのですが顎がとんでもなく長い!!7.7mm程もある顎が超極太に見えない原因は、その巨大な頭部のせいであるというのも一つありますが、何と言ってもこの顎の長さにあるでしょう。


私は、「長い」vs「太い」については、長い方が健全であるような気がしています。この見解は変わるかしれませんが、これまでの我が家の8オーバーはKX8.3の親がセミロングという感じで、他は非常に顎が長かったです。羽化個体の低スペックなものを見ても、顎が長い個体は比較的スムーズに羽化することが多く、顎が短い個体はスペックが低めでもそこそこの苦労をすることが長い個体以上にはあります。



体長や体の幅についても、めちゃくちゃデカくて細い個体と、太くて短い圧縮タイプを比較すると、特大個体の方が圧倒的に自力でカンピン羽化することが多いと感じます。もちろん、私はホペイフリークとして圧縮タイプの完品羽化力を高めることに大いなるやりがいを感じているところではありますがしかし・・・・長い個体の方がまぁ、なんとなく上手くいくことが多いです。


この個体の顎の長さは近年稀に見るレベルで、まぁ~~~長い!!

それから、胸部が独特の形状をしています。比較的ゴツゴツしているのはそうなのですが、なんとなく各部の傾斜が他の個体とは違うんですよね。胸部が特徴的で羽化力が高かった個体は私は重宝するようにしています。めちゃくちゃ太くなると、ネタバレはまだしませんが、胸部のところに支障が出ます。胸部って、個体の中央部にあるからか、色んな不具合が集まる場所なのかもしれません。その胸部に他と違う個性があるというのには、性能面でも他と違うのではないかという期待感を持たざるを得ません。

そう、この個体は他とは違う期待感を持っている個体なんです。期待感と言いましたから、確信があるわけではないし、根拠も実はそんなにないんです。稀な・・・と言っているくらい、あまり見たことがあるタイプでもない。でも、そういう色々になんとなしの底知れなさを感じるんです。やっぱり、ブリードをしていると、「自分の期待や予想に沿う個体を見たい」というのと、「予想外期待超えを見たい」という感情が入り混じることが多いのですが、この個体は後者の何かをかなえてくれそうなんですよね。

根拠を探すのはとても有意義だし、方法を開拓するのは好ましいと思いますが、なんでもかんでも正解探しをするのはちょっとなぁ~と思うんですよね。正解がないから面白いっていうのが、形状追及の世界の根っこでもあると思うんですよ。だから、青天井の世界って言われたりする・・・。

なので、種親選びの時は私は結果を守るための取り組みをします。例えば、過去に成果を出したタイプのオスを選んだり、今の自分が持っているセオリーに近しい個体を選んだり。だけど、結果を守らずに期待感を守るという取り組みもします。何かやってくれるんじゃないかな。次世代どうなるんだろう!?その次世代がコケたっていいんです(ショップとしてはまずいですが)。飼育の過程が楽しいというのはあるだろうし、その過程で絶えず期待感が伴っていたというのはとても喜ばしいことだと思うのです。無根拠に期待感を持つことは私はありませんが、根拠が薄くても期待感を持つことはあります。


これが、多分巷で言われている言語を借りるならば”直感で選ぶ”ということに近しいのかなとも考えていて、なんか楽しそうだっていうブリード・・・いいですよね。そして、これはとても不思議なのですが、これは!!!とピンと来た個体が親になって次世代を外してしまうケースは、非常に少ないです。だって、これは!!!ってピンとくること自体が、とても珍しいことなので(笑)だから私は、ピンと来た個体については、優良な次世代だけではなく、むしろ新しいセオリーも生み出してくれるんじゃないかって親にしちゃいます。ショップとしてどうするかということについては1年悩みましたが・・・成果を守る取り組みに注力しないといけないのはそれはそうなのでしょうが・・・血統屋として、新しい領域の開拓をせずに存続するのはこれまた難しいんじゃないかな、という見解もあり、やっぱり新次元の開拓は楽しんでやっていきたいです!


そうそう、8台はどうなったのって話ですが・・・8台、いますのでね~安心してください。そりゃいますよね、あれだけ8後半がいましたからね。でも、8台を公開するのはどうしようかと悩んでいます。一つは、8台を持ってきちゃうと、もうそれが親でいいじゃんってなりそうなんですよ。それほど8台の顎幅&完品個体である存在感の威力って常軌を逸しているんですよね。ここでは、色んな情報提供もしていきたいなというのがあるので、あまり情報やセオリーをぶっ壊しすぎる個体は、持ってくるのをどうしよう・・・と思っているところではあります。

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