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執筆者の写真YY

【本店ストック成虫No.20】KX8.3

KX8.3

2023年月5月下旬羽化

幼虫最終計測体重34g

体長78.0mm、頭幅29.5㎜、顎幅7.57mm

じゃあ、ホペイフリークの店主はいったいどんな個体を親にするのか・・・というところを詰め寄られそうですね。そこをご自身で考えて工夫するのが最高の楽しみなのですが、でもヒントばっかり出している雰囲気だとそれもそれでいずれ風化しそうなものですから、いくつか出してみたいと思います。そう、”いくつか”あるんですよ。”ずばり”みたいな感じではないんですね。


この個体は、これまで紹介してきた中で一番写真写りが大味な個体なのかな、と思います。もっと悪く言えば、間延びした印象を受ける個体ですね。こういう個体を私は親に非常に好んで使います。コンテスト的な視点では、こういった個体は「中庸」とカテゴライズされることがあり、どっちつかずのイマイチな個体と評価されることがあります。その評価に異論はありません。しかし、それはコンテストの話でしょ、というのが私の感覚です。


スペックを見て頂いているかと思いますが、まぁ、かなりぶっ飛んだスペックをしています。顎は7中盤というところでしょうか。頭もでっかい!!顎とか頭って、今のブリーダー様方が目指している「満足ライン」を超えているように思います。最近は皆様、大きな虫・太い虫をバンバン出されていますが、それでもこのくらいの顎と頭を揃えてくる個体がド完品で出てくるのは中々ないのかなぁと思います。でも、そんなスペックモンスターに見えない・・・ですよね。


異常に顎が太くは見えないし、頭も爆裂にデカいようには見えない。かといって胸部が頭や顎のサイズを圧殺してしまうほどに大きなわけでもなく、そう見えないほどの体長があるわけでもないです。横から見るとまんべんなく分厚く、特に頭の厚みがあるので、超高スペックであることが緩和されているという感じなのでしょうか。


頭長がかなりあるこたいなのですが、頭の厚みがあるのでそのあたりもマイルドに見えます。モコモコとした各部の隆起が、バキバキとした厳つさを緩和させています。顎もよく見るとすごく太いし、側方にパイプ状のふくらみを持っていて体積抜群です。ただ、長い。かなり顎が長いです。ムキムキで顎の長さが緩和されて見えますけどね。多分、そんなことは絶対にしませんが(笑)、部位別にちぎって見せたら「すげぇ!」なんだと思います。よく見られる顎や頭部をちぎって見せたら、「すげぇ!どんな個体だったの!?」なんだと思います。でも、色んな部分が調和しすぎてマイルドになってしまっている。

そんな個体を、私は種として好みます。ここまで言及してきた、美しさと均整、異常性、そしてスペック全てがぐしゃっと詰め込まれた結果なんとなく中和しあった感じがある個体であると考えているからです。



そのうち公開しますが、今年度のGX50-Xはぶっ壊れたスペックの化け物中の化け物を1頭産んでおりまして、その個体はとんでもない蛹なのにもかかわらず普通に仕上がってしまった個体です。私が”無理”と思って仕上がったのは、そのXとKX303の顎9個体のみです。


そのGX50-Xの親は2022年3月に羽化の個体ですが、それに似ています。あのXは、Xらしい、ぶっ飛び感をあまり持っていなくて、Xらしい蟹感もあまりもっていませんでした。なんだかモコモコしていて、スペックだけぶっ飛んでいた。画像を持ってきましょう。次の画像です。


22GX50-X

75.0-29.2-7.5


こっちの方が派手な形をしていますが、なんとなしのマイルドさは共通しているように感じます。


こんな感じで、なんとなく色んな凄さを混ぜ合わせまくっててんこ盛りにした結果中庸になってるんじゃないの?という個体を私は親に好んで使います。色々が入っていそうなので、色々良いものが次世代で出てくることが多いんです。結果論ではありますが・・・・でも、次世代の結果が芳しいんですよね。あのオスから、こんなに個性のはっきりした個体達が出てくるのか!!なんてね。




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