KX8.3
2023年5月羽化
幼虫最終計測体重30g
体長70.7mm、頭幅27.6㎜、顎幅7.27mm
意図せず逆光でこんな感じになってしまいました。それでも、まぁ~~~このキャラの立ちようです。こういうのが親だと、次世代が楽しいですよね。キャラが立った個体って、とても貴重です。理由は、今流通する血統の多くが似通った血統背景を持っているからです。血統の組みあわせを聞くと、知っている血統や今まだ入手できる血統で構築されていることが珍しくありません。当家のホペイは、SAXとか、劉備とか、TP:EとかTP:AとかTP:Cといった今入手が難しいような血を多く含んでいるから、少し独特な雰囲気が出やすいというのは理屈上だとあり得るかもしれませんね。血統を私はグループとして見ていて、そのグループになんとなく共通する雰囲気や造りがあるような、そんな話をyoutubeの方ではさせて頂いています。そのなんとなしの雰囲気という名の差別化は、過去の優良個体が源泉であることが多く・・・だからこういうキャラが立った個体って貴重なんです。これが仕上がってくると、次世代の虫たちのカラーに独自性が加わってくるんですよ。
ま、ちゃんと写った個体はもちろんきちんと公開するとして・・・
ここまでですでに「ん?」と思われている方がいらっしゃったら、とても嬉しいですね。採卵の時間を割いて読み物を書いているのが報われます。少し脱線しますが当家は生体専門店ですから、今は採卵をすべき時、なんですよ。だけど、私は自身の使命と存在価値はホペイの形状追及の世界の面白さを発信し伝播させることだと勝手に自覚しているので、収入源は生体販売が主かもしれませんが、こういった飼育や血統創りの知識やノウハウを発信していくことについては身を削ってでも取り組んでいかねばと思っている所存な訳です。キャラが立っている個体!という回が、ストック個体シリーズの中でありましたね。その伏線を実は回収しているということです。そこに気づいて頂ければとても嬉しいということです。
つまり、もうこの回ももうすぐ20回ということで、そろそろネタバレをしていきたいのですが、どの血統から公開していこうか、どの個体から紹介していこうかという考えが私にはこのシリーズをスタートする前からあり・・・
それは「どうでしょううちの個体すごいでしょう!?」という親ばかをやりたいのではなく(親ばかは、小さき命を愛する身として多分にありますよ!)、色んなことを雄弁に語ってくれる形をした個体、あるいは情報を秘めていそうな個体・・・・そういった個体を通じて、一緒に血統構築法を楽しんでいきませんか?ということなんですね。
形状追及の世界というのは、血統創りの世界でもありますから。血統創りについてはダイレクトにはこのショップホームページでは書きません。そういう危なっかしくてギリギリを攻めるような内容は、すでにホペイフリークの自己満足日記の方で準備を進めていますので楽しみにしていてください。ただし、あっちは殊更ショップ関係ないスタンスでやらせて頂きますから、気を悪くされたらスミマセンとしかいいませんし、ダイレクトな表現が嫌いな方は今のうちに見ないことにしておいてくださいね(笑)
この個体を見て、「いやいや、そうじゃなくて・・・・あっちの方を連想したよ・・・」という方がいらしたらなお嬉しい!その個体ってどの個体かって?
この個体ですよね?
GX50-yyii68、2020年羽化、68mm、頭幅28.4mm、顎幅6.7mm
シルエットもそうですし、スペックも雰囲気は近しいです。この個体は頭幅率が41.7%の怪物です。ですが、今回ご紹介のKX8.3はその分を7.2を軽く超える計測値を出してくる顎幅でとっているところがありますから、存在感的にはトントン。
上同個体です。側面から見た時の√フォルムが話題を産みました。
KX8.3の今回の個体にもどして、非常に近しい形状が発現する・・・これを、私はGX50由来だと見ています。このタイプが、GX50が絡まないラインでは今のところ見ていないので。そして、この特異形状を秘めていることが、なんとなく上下に押しつぶしたような個体を成立させてしまうGX50系の強みであり、またあまり好きな言い方でないのですが、「GX50はアウトをすると、へなちょこ血統を増しにする血統であるとも言えそうだ」という、過去に頂いた言葉の根拠もここにあるような気がしています。中庸だった個体のキャラを立たせてくれるんですね。
側面から見た時の何とも言えない立体感。
68にも見られたあの雰囲気ですね。
この分厚さ、蛇腹なシルエットの感じですね。
そして最後に、「そういったへんてこりんな個体を有していることは、以前の回に合った”均整がとれた個体を有していること”と矛盾があるんじゃないですか?」なんていう心の声が生まれていたらもう、私としては最高です。形状追及の世界の深淵にようこそ、って感じですね。その続きと答え合わせは・・・また次回!!