KX8.3
2023年5月羽化
幼虫最終計測体重29g
体長73.3mm、頭幅27.8㎜、顎幅6.96mm
ご覧くださりこれが真のショートです(笑)
短すぎて顎先が入ることすら厳しそうな、そんなフォルムをしています(厳しいとは言っていませんからね)。
ただ、個体差としてショートは出てきますよね。遺伝的にショート率を高めていくことはもちろん可能なのですが、持論ではありますが顎のショートと前胸肥大は、どんなに血統をブラッシュアップしても少し、ごくわずかには出てくるような感じがあるし・・・というか、もう少し正確に頑張って表現するなら狙わなくても出てくるような気がしています。ヒラタのワイルド持ち腹とかをやると、ショートと前胸肥大はまぁまぁ出てきた経験もありますし・・・種は違うとはいえ。
この個体は、ショートだからストックしたというより、ショートかつショートを際立たせる異形性があるからストックしました。ご覧ください、この超絶バルキーな内歯!
内歯が顎幅くらいあるんじゃない?というような内歯です。ちなみに、外歯先端も太い!そして水かきなども鋭くて面積が広いです。顎幅数値は7を割っていますが、顎の幅よりも顎の情報量と体積で顎を主張してくるような個体です。短い部分に多量の造形が濃縮して詰め込まれたような雰囲気です。
でも、どこかにスタイリッシュ感を残している。下品になり切れていないところがまた良いなと思います。系統は違いますがyyii68は異形性と起爆力と均整の3つをそろえた究極のパーツ血統だと思っていて、皆さんが注目するのは異形性と起爆力。起爆実績で行けば、調整をかけたS76では顎8を出しているし(ネタバレ)、PY149についてはまぁスペック爆発していますが、化け物スペック個体が完品で仕上がり切ってきています。その背景には68の異形性と起爆力があるのですが、異形性×起爆力=不全だと私は一応いま・・・大体そういう感じのイメージを持っていまして・・・そこに均整がかけられると・・・異形性×起爆力×均整=その個体の成立(カンピンで生きて見られる可能性)、というように考えています。
8.3は確かにイカレた形をしている個体を有している個体群だし、化け物スペックの個体も多数います。9はまだ難しいものの、こういったドショートてんこ盛り個体や、超上下圧縮個体、そして顎8個体群が軒並み仕上がってきている背景にあるのは、GX50-K2にあった均整だと考えています。そういった均整を盛り込まないと、目指したい化け物、異形、異質、超高スペック個体の実現は難しい。これを、一つ前のキープ個体紹介と併せて読んでいただくと、なんとなく辻褄が合ってくると思います。
顎閉じだと可愛いんですよ。内歯や外歯のベクトルも自然にそろっているし、胸も爆裂にデカい訳ではない。腹も極端に小さくない。シルエットにするとなんとなくラグビーボール型でまとまっている。こういう均整を無視して、ある方向のベクトルに全振りってのは難しいと思っています。
言葉上だと矛盾しますが、私はそういうことで全振り血統ってあまりうまくいかないと思っています。分かりやすい例をもう一つ、くどいですが出しておくなら・・・顎9を取りたいなら、KX8.3にはどこかに均整を隠し味で入れておかないといけない。PYやS76が顎8を初代でスパッと抑えたのは、その背景に68の均整があったから・・・こういうのが、今年の当家の系統の全体像であると見て頂くとよりディープな世界にいけるのかな、なんて思います。