今年度は詳細については虫で語ろうというのがテーマです。血統・系統・虫は正直です。個体紹介についても、多くは虫に語ってもらおうというのが2024年のホペイフリークのスタンです。尚、本年度の系統一覧については以下によりご確認ください。
ホペイフリークのYoutube
2024年度系統紹介
今回ご紹介するのは以下の個体です。
【生体情報】
◆種類:ホペイ/ホーペ/ホーペイオオクワガタ
◆学名:Dorcus hopei hopei
◆産地:福建省北峰
◆累代:F4(同腹兄弟姉妹同士交配純インラインブリード)
◆血統名:GX50-yyii
◆グループ:GX50-yyii8.1
◆系統番手名:GX50-yyii8.1F➁
【血統内訳】
およそ以下のような血統を内訳としています。
※当店の単位の基準で記載をしています。目的は「きちんとしたホペイ種であるという信頼が持てる単位」です。→交配において重複する血統や系統があります
※記載している以上の情報を個人単位で提供は致しません
・TP:E
・HO8
・劉備
・張飛
・皇帝
・TT2A
・SAX
・極峰
等
体長:74.9㎜
頭幅:28.2㎜
顎幅:7.3㎜
顎厚:5.8㎜
血統に対するリスペクトから、血統という言語を中々使わなかった私は、2020年頃からようやく「血統」という形容をつける系統を作り始めました。GX50-yyii、GX50-Xですね。2023年度のレパートリーとしては、KX、DX50は血統で良いと思っています。そして、今年度から♠7.8も血統で良いと思っています。
血統については、クワガタ飼育に携わる周囲の考えかたを踏まえて考えるようにしています。血統観という世論は年々変化しますから、その変化に合わせていくのも大切だと思っていますし、同時に過去の文化を大切にすることも無視できないと思っています。
自分の主観は「血統観」には含めないように努めています。周囲がこうだから、こう!というのが、当店の血統観の持ち方です。言語化はしていますけどね。固定率固定率と言いますが、完全固定なんてされません。その代わり、優良個体の発現率があがったり、スペックアベレージがその時分におけるハイレベルだったり、きちんと近しい雰囲気の個体が複数出現したりということは確認できますね。そこに、理屈が具体的であるにしろ抽象的であるにしろ根拠があるといいですね。そういうことが積み重なると、周囲に「血統」として認めて頂けるのだと今は捉えています。
主観を交えずにとはいいますが、一つ主観を交えるとするならば当店の血統については店主の私の人生だけではなくて命が込められているのはそれはそうだと言いたいです。文字通りです。身を削って健康を削ってプライベートを無にして娯楽から離れてただホペイの飼育に注力して飼育をしているのはそれはそうです。何回か倒れていますが、苦労自慢をしているのではなくて本気でやったらそのくらいにはなります。私が倒れている分(笑)、譲渡先では楽をしてください。流通しないレベルの虫を親にすべく身を粉にしてブリードをした分ん、スタートラインを高いところから引いて、ハイレベルの虫の飼育を楽しんでください。血統屋として、そういう自負はあります。そう言えるほどには、行動もしています。ブログなどでの発信が目立つかもしれませんが、一番量が多いのは運動量です。力業で虫をひねり出していますから、当店のむしたちはそういう強さを持っています。
血統に対するリスペクトというものは、この2年くらいの話題の一つでしょう。血統観はいろいろあって良いと思いますが、血統観とまともににらめっこをしてきた身としては「血統をバーチャルにしないでくださいよ」とは思います。「高額な虫を買っても優良個体が出ない」と、高額な虫を買っていない人が言っていたり・・・・数値詐称をしていたり、画像加工をしていたり、遠近法を利用した数値計測画像を公開したりというバーチャルな手法で注目を集めてしまうケースが散見するように感じます。
血統に対するリスペクトは、シンプルにブリーダーのアウトプットと虫のアウトプットの2点で良い、わけです。血統背景など色々あるんでしょうが、それもブリーダーのアウトプットの一つで、幹を見ればブリーダーの取り組みと虫の存在感の2点に集約されるというのが当店の見解です。小難しいことをダラダラ書くなという声もありますが、「血統もの」の存在感こそシンプルに落とし込んでおくべきと感じます。
あれ?どこかで見たことが・・・と思った方はは鋭い!!!ショップに並ぶGX50-yyii8.1F➁No.1の顎8個体にそっくりですよね。yyii8.1F➁のもう一つの顔がこれです。
GX50-X並みの体格をもつ、ゴロンとしたタイプがyyii8.1F➁にはいます。工具のような顎をしたタイプ、このようにゴロンとしてとんでもない体積を体現するタイプ、そして√型のyyiii68みたいなタイプの3つのタイプがyyii8.1F➁が示す発現の幅です。相当の数が採れている1腹ですが、このように分類できるので、親選別の精度も上がって最高です。
驚くべきはこの顎厚です。基部から先に向かうにつれ、更に太さを増す超絶体積顎です。こういう化け物みたいな個体は、ちゃんと完品で現存します。バーチャルな世界じゃなくたって出会えます。そのかわり、バーチャルな世界よりも真剣に血統に向かい合い、汗水流して飼育に注力しないと、そう簡単に出会えるものではありませんがね。
そして、極めつけはこの体積にしてこの翅の余裕な顔・・・・。極太極厚スーパー体積になっても、仕上がりが綺麗な個体もちゃんと存在します。
ホペイの血統ものに寄せられるものは安心と期待でしょうが、血統が体現すべきは現実でありバーチャルではないというのが当店の見解です。